三重県神社庁津支部
神宮大麻暦頒布始祭挨拶文
■令和6年度
於 三重縣護國神社
祝辞
本日茲に三重県神社庁津支部神宮大麻暦頒布始奉告祭が斎行されますにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
ご参集の皆様方には、神宮大麻暦の頒布につきまして、依然として少子高齢化や過疎化等により、厳しい社会状況が続く最中、それぞれの地方に即した独自の施策を模索され、地域一丸となって熱意ある頒布活動を展開していただいておりますことは、洵に有難く、衷心より厚く御礼を申し上げる次第であります。
さて、第六十三回神宮式年遷宮の御事につきましては、去る四月八日に天皇陛下より御聴許を賜りました。畏くも聖旨を拝しましたことは、誠に恐懼の念に堪えず、その使命と職責の重さに、只々身の引き締まる思いでございます。
また、七月三十一日には、御遷宮のご準備を多方面において万遺漏なく執り進めるため、第一回「神宮式年遷宮準備委員会」を、各界の有識者のご出席のもとに開催いたしました。
古より我が国の最重儀として連綿と継承されてきました御遷宮の完遂に向け、私ども神宮職員は大御心に副い奉るべく、尚一層の自覚を持って、各々の職務に精励し、ご準備に万全を期して参ります。
遷宮奉賛の道を思うとき、その基となりますのは、年毎に全国津々浦々にて、神社関係者の皆様方の不断の努力により積み重ねられる、頒布活動でありましょう。
言わば、神宮大麻の奉斎が、皇室及び神宮と家庭との絆を深め、ゆるぎなき敬神崇祖の真心を培い、その御代御代の御遷宮をお支えいただく、尊い奉賽へと続くものと思われます。
来る令和十五年秋に予定しております御遷宮が、御滞りなく斎行されますよう、皆様方の深いご理解と更なるお力添えを、切にお願い申し上げる次第です。
結びにあたり、ご参集の皆様方の弥益々のご活躍とご健勝を祈念し、私の挨拶と致します。
令和六年十一月十九日
神宮大宮司 久邇朝尊
本日茲に、令和六年度津支部神宮大麻・暦頒布始祭が開催されますに当り、一言ご挨拶申し上げます。
御参集の皆様方には平素より氏神様の奉護・ご社頭の発展に奉仕をせられますと共に三重県神社庁諸行事並びに神社神道昂揚の為に御協力を頂き、大変ご活躍を頂いておりますことは誠に有難く、先ず以って心より感謝を申し上げます。
加えて、本年度もまた、神宮大麻暦頒布に当り公私ご多忙の折、日夜頒布活動に携わって頂きますご関係各位の一方ならぬ御尽力に対し、謹んで厚く御礼申し上げる次第でございます。
さて、約五年もの間、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、さまざまな場面において縮小傾向にあった枠組みから制限がなくなり、全国各地の夏祭りや秋祭りなどがコロナ禍前と同様に完全復活して開催された、とのニュースも多く耳に致しました。県内においても例年通りの祭事や神賑行事を開催し直会も行われた神社さまも数多くみられ、社会経済活動が再開されていることは、大変喜ばしいことであると存じます。しかしながら、社会的制約が長期間に及んだ影響も少なくなく、出控え現象が起き、本来のあり方から変更せざるを得ない事柄に直面しているのもまた事実でありましょう。
そのような中ではありますが、本年四月に天皇陛下の御聴許を賜りいよいよ第六十三回の神宮式年御遷宮の諸準備が始まることとなりました。そして、私共が携わることのできる最初の行事「御樋代木奉迎送行事」が来年六月に行われます。二十年に一度の行事でございます、御遷宮の無事完遂と三重県の奉賛会立ち上げ、並びに募財活動に大きな弾みをつけることが出来ますよう、皆様方におかれましても是非多くの方がご参加をいただき、御支援と御協力をお願い申し上げる次第でございます。
再来年に設立予定であります奉賛会三重県本部の募財件数と神宮大麻暦の頒布数がほぼ同数の関係にあることは過去の実績からも明らかでございます。これから年末年始にかけて、神宮大麻暦頒布活動においては、公私御多端の折並々ならぬご協力をお願い申し上げますことについて、大変心苦しい事ではございますが、何卒宜しくお願い致したく存じます。
鎮守の杜を中心とした地域共同体意識の重要性を広く教化啓発し、先人達の足跡に鑑み、日本民族固有の人となりや伝統文化の興隆を喚起し、家庭祭祀の振興を確実に次代へ引き継ぐ為にも、我々一人一人が継承の担い手となる努力をすることが、諸先輩方から受け継がれた重要な役割であると存じております。
神社庁におきましても、若い世代に家庭祭祀の啓発を行うべくSNSなどを利用した新たな取組みを模索しながら行っております。
今年の神宮大麻暦頒布活動も、昨年同様困難な状況であろうと存じますが、皆様のご理解と格別なるご協力を賜りますことを心からお願い申し上げ、併せて本日御参会の皆様方のご健勝とご多幸、今後益々のご活躍をご期待申し上げましてご挨拶と致します。
令和六年十一月十九日
三重県神社庁長 塚原德生
■令和5年度
於 三重縣護國神社
祝辞
本日茲に三重県神社庁津支部神宮大麻暦頒布始奉告祭が斎行されますにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
皆様方には常日頃より神宮の御事に関しまして格別のご高配に与り、殊に神宮大麻暦の頒布につきましては、それぞれの地域に即した独自の施策を力強く、また柔軟に展開され、頒布増進に向けて注力いただいておりますことに、厚く御礼申し上げます。
現在、参宮の傾向につきましては、幅広い世代の方々にご参拝をいただき、参道は平時の賑わいを見せ始め、ご神前に日頃の感謝の念を捧げる方が多く見受けられるようになりました。
コロナ禍という未曾有の厄災を経ましても、変わる事無く尊い信仰をお寄せいただく大きな要因のひとつとして、神宮大麻があることは申し上げるまでもありません。
神宮大麻は、神宮と家庭を結ぶ大きな絆となっております。全国のより多くのご家庭に神宮大麻が奉斎されることによって、皇室を中心に戴き、神を敬い祖先を尊ぶ、麗しい我が国振りが愈々発揚されて行くことと存じます。
また、三期九年に亘る「三カ年継続神宮大麻都市頒布向上計画」は、令和四年度をもって完遂を迎え、本年度はその成果と課題を基に、より効果的な施策を推進されるとのことであります。
神宮と致しましても、皆様方のご尽力にお応えすべく、引き続き大麻奉斎のための助成を強力に推し進めて参る所存でございます。
大麻奉斎家庭の広がりが、神宮はもとより、斯界、ひいては日本全体の興隆に繋がることを信じて止みません。今後とも皆様方には尚一層のお力添えを賜りますよう重ねてお願い申し上げる次第でございます。
結びにあたり、多年に亘るご功績により本日表彰の栄に浴されました方々に対し、心よりお祝い申し上げますと共に、ご参集の皆様方の弥益々のご活躍とご健勝を祈念し、私の挨拶と致します。
令和五年十一月二十一日
神宮大宮司 久邇朝尊
本日茲に、令和五年度津支部神宮大麻・暦頒布始祭が開催されますに当り、一言ご挨拶を申し上げます。
御参集の皆様方には平素より氏神様の奉護・ご社頭の発展に奉仕をせられますと共に三重県神社庁諸行事並びに神社神道昂揚の為に御協力を頂き、大変ご活躍を頂いておりますことは誠に有難く、先ず以って心より感謝を申し上げます。
加えて、本年度もまた、神宮大麻暦頒布に当り公私ご多忙の折、日夜頒布活動に携わって頂きますご関係各位の一方ならぬ御尽力に対し、謹んで厚く御礼申し上げる次第でございます。
さて、新型コロナウイルス感染症も感染症法の位置付けが見直され、それに伴いさまざまな場面においてこれまでの縮小傾向であった枠組みから制限がなくなり、全国各地の夏祭りや秋祭りなどがコロナ禍前と同様に完全復活して開催された、とのニュースも多く耳に致しました。県内においても例年通りの祭事や神賑行事を開催された神社さまも数多くみられ、社会経済活動が再開されていることは、大変喜ばしいことであると存じます。しかしながら、ウイルスが消滅したわけでもなく、相変わらず感染症者数にも大小の波があって、まだまだしばらくの間は新型コロナウイルス感染症というものと共存していかなければならないということを認識させられている昨今であります。皆様方におかれましても引き続き感染症対策には十分ご留意の上、日常生活を取り戻していただきたく存じます。
また、これから神宮大麻頒布活動のご協力をお願い申し上げますことについて、大変心苦しい事ではございますが、何卒宜しくお願い致したく存じます。鎮守の杜を中心とした地域共同体意識の重要性を考え直し、先人達の足跡に鑑み、日本民族固有の人となりや伝統文化の興隆を喚起し、家庭祭祀の振興を確実に次代へ引き継ぐ為にも、我々一人一人が継承の担い手となる努力をすることが、諸先輩方から受け継がれた重要な役割であると存じております。
神社庁におきましても、若い世代に家庭祭祀の啓発を行うべく新たな取組みを模索しながら行っております。
今年の神宮大麻暦頒布活動も、昨年同様困難な状況であろうと存じますが、皆様のご理解と格別なるご協力を賜りますことを心からお願い申し上げ、併せて本日御参会の皆様方のご健勝とご多幸、そして本日表彰の榮に浴されました方々のご功績に対し深甚なる敬意を表しますと共に今後益々のご活躍をご期待申し上げましてご挨拶と致します。
令和五年十一月二十一日
三重県神社庁長 塚原德生
■平成30年度
祝辞
はじめに、本年は度重なる地震、また台風や豪雨等の天災によって各地に甚大な被害が及び、尊い命を失われました方々に謹んで哀悼の意を表しますと共に、罹災された皆様に対し、心よりお見舞いを申し上げます。
被害を受けられた地域、並びに諸宮社の一日も早いご復興をお祈り申し上げます。
さて、本日茲に三重県神社庁津支部神宮大麻暦頒布始奉告祭が開催されますにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
皆様方には、常日頃より神宮の御事に関しまして、格別のご高配に与り、殊に神宮大麻暦の頒布につきましては、少子高齢化・過疎化の進行が加速し、依然として厳しい状況が続く中、それぞれの地域に即した独自の施策を展開され、頒布増進に向けてご尽力頂いておりますことに、厚く御礼申し上げます。
昨年の参宮の傾向につきましては、お蔭を以ちまして八七九万人を超え、前回の遷宮を契機に全国的な参宮促進運動と共に、様々な媒体で展開された広報が実を結び、多くの方々にお参りいただいております。
世代を超えた関心の高まりに併せ、国民総奉賛の気運が上昇しておりますのも、関係各位の参宮啓発活動の賜物と深く感謝申し上げます。
そして各家庭で神宮大麻が奉斎され、「家庭のまつり」が次世代へと確実に継承されることにより、神を敬い祖先を尊ぶ麗しい我が国風が守り伝えられていくものと存じます。
各地域において神社神道の実践を通じて、御神徳の宣揚や神宮奉賛について常に先頭に立たれ、氏子総代を導いて地域の中心的な役割を担っておられる皆様であっても、頒布活動は容易ならざるものと拝察致しますが、地域の中心である氏神様の御神札と共に、神宮大麻が一体でも多くのご家庭でお祀りされますよう、皆様方には尚一層のご協力をお願い申し上げます。
結びに、ご参集の皆様方の益々のご活躍とご健勝を祈念し、私の挨拶と致します。
平成三十年十一月十六日
神宮大宮司 小松揮世久
本日茲に、平成三十年津支部神宮大麻・暦頒布始祭が開催されますに当り、一言ご挨拶を申し上げます。
御参集の皆様方には平素より氏神様の奉護・ご社頭の発展に奉仕をせられますと共に三重県神社庁諸行事並びに神社神道昂揚の為に御協力を頂き、大変ご活躍を頂いておりますことは誠に有難く、先ず以って心より感謝を申し上げます。
加えて、本年度もまた、神宮大麻頒布に当り公私ご多忙の折、日夜頒布活動に携わって頂きますご関係各位の一方ならぬ御尽力に対し、謹んで厚く御礼申し上げる次第でございます。
さて、明治五年、明治天皇の思し召しのもとに神宮大麻全国頒布の制度が整えられました。その間、先人たちは、幾度かの国家・社会の変動に際して、神宮大麻奉斎の意義を明らかにしながら、頒布体制の確立につとめ、神宮と神社、そして国民とのつながりを強固なものとして参りました。しかしながら、現在は様々な価値観が混在する時代であります。このような現代に生を受けた我々一人一人は、今一度、自らの足元を見直し、原点に立ち返って互いに協力し合い、鎮守の杜を中心とした地域共同体意識の重要性を改めて考え直し、先人達の足跡に鑑み、日本民族固有の人となりや伝統文化の興隆を今一度喚起し、家庭祭祀の振興や神宮大麻頒布活動の意義を確実に次代へ引き継ぐ為にも、先ず以って私たち神社関係者が率先してその趣旨を理解し、継承の担い手となる努力をすることが、諸先輩方から受け継ぎ課せられた私たちの使命であると存じております。
そして、平成の御代も来年四月の御譲位によりあと半年となりました。五月一日には新帝が御即位遊ばされ新しい御代が始まります。政府において進められております御代替わりの一連の諸祭儀・諸行事が、官民一体の一大盛儀となりますようご祈念申し上げますと共に平成の御代最後の神宮大麻暦頒布活動がより一層の成果をあげて頂けますことを心からご期待申し上げ、併せて本日御参会の皆様方のご健勝とご多幸、今後益々のご活躍をご期待申し上げましてご挨拶と致します。
平成三十年十一月十六日
三重県神社庁長 塚原德生
■平成29年度
祝辞
本日茲に、三重県神社庁 津支部 神宮大麻暦頒布始奉告祭が開催されますにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
皆様方には、常日頃より神宮の御事に関しまして、格別のご高配に与り、殊に神宮大麻暦の頒布につきましては、それぞれの地域に即した独自の施策を展開され、取り巻く環境の厳しい中にあって、頒布増進に向けてご尽力頂いておりますことに、厚く御礼申し上げます。
現在、神宮参拝者の傾向は、幅広い世代の方々にわたり、連日社頭は賑わいを見せております。その中でも、若い世代の参拝が増えておりますことは、今後の神宮や神社の未来を考える上で、大変心強いことと存じます。これも偏に、関係各位の参宮促進運動の賜物と改めて感謝申し上げます。
また、大麻頒布につきましては、「三ヶ年継続神宮大麻都市頒布向上計画」の第一期が終了となり、本年度より改めて第二期が施行されました。第一期で培われた成果と課題を足掛かりとして、都市部に限らず各地の実情に応じた活動を進めるとともに、神職を始め頒布奉仕者の意識向上を進め、大麻奉斎の理解を図り、神棚の普及による家庭祭祀の振興と大麻暦頒布の向上を目標として、この節目の年を機に、頒布増進が達成されますことを期待致しております。
神宮大麻の奉斎は、神宮、そして全国各地の氏神様と家庭を結ぶ大きな絆です。全国の、より多くの家庭に神宮大麻が奉斎されることによって、皇室を中心に戴いて、神を敬い祖先を尊ぶ、麗しい我が国振りが発揚されて行くことを念じ、頒布増進のため一層のお力添えをお願い申し上げます。
結びに、ご参集の皆様方の益々のご活躍とご健勝を祈念し、私の挨拶と致します。
平成二十九年十一月十七日
神宮大宮司 小松揮世久
本日茲に平成二十九年度、津支部神宮大麻・暦頒布始祭が開催されますに当り、一言ご挨拶申し上げます。
御参集の皆様方には平素より氏神様の奉護・ご社頭の発展に奉仕をせられますと共に三重県神社庁諸行事並びに神社神道昂揚の為に御協力を頂き、大変ご活躍を頂いておりますことは誠に有難く、先ず以って心より感謝を申し上げます。
加えて、本年度もまた、神宮大麻頒布に当り公私ご多忙の折、日夜頒布活動に携わって頂きますご関係各位の一方ならぬ御尽力に対し、謹んで厚く御礼申し上げる次第でございます。
さて、明治五年、明治天皇の思し召しのもとに神宮大麻全国頒布の制度が整えられました。その間、先人たちは、幾度かの国家・社会の変動に際して、神宮大麻奉斎の意義を明らかにしながら、頒布体制の確立につとめ、神宮と神社、そして国民とのつながりを強固なものとして参りました。しかしながら、現在は様々な価値観が混在する時代であります。このような現代に生を受けた我々一人一人は、今一度、自らの足元を見直し、原点に立ち返って互いに協力し合い、鎮守の杜を中心とした地域共同体意識の重要性を改めて考え直し、先人達の足元に鑑み、日本民族固有の人となりや伝統文化の興隆を今一度喚起し、家庭祭祀の振興や神宮大麻頒布活動の意義を確実に次代へ引き継ぐ為にも、先ず以って私たち神社関係者が率先してその趣旨を理解し、継承の担い手となる努力をすることが、諸先輩方から受け継ぎ課せられた私たちの使命であると存じております。
また、神宮様におかれましても、次期御遷宮の準備機関として、神宮司庁の玄関に『神宮司庁造営局』の看板が掲げられております。連綿と続くこの重儀を絶やすことのないよう、我々は斯界を挙げて一致団結・協力していかなければならないと存じます。
伊勢の大御神さまの御神威が、今後も更に私たち国民の上に均しく光り輝き、一軒でも多くのご家庭に『神宮大麻』が奉斎され、子々孫々に至るまで弥栄えに栄えますことを切にご祈念申し上げ、併せて本日御参会の皆様方のご健勝とご多幸、今後益々のご活躍をご期待申し上げましてご挨拶と致します。
平成二十九年十一月十七日
三重県神社庁長 塚原德生
■平成28年度
本日茲に、三重県神社庁 津支部 神宮大麻暦頒布始奉告祭が開催されますにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
崇仁親王殿下には去る十月二十七日、薨去遊ばされました。殿下におかせられましては、神宮に大正十五年以降、十七度に亘り御参拝になり、なかでも昭和四十七年には式年遷宮の進捗状況を御視察をいただきました。
御療養中の殿下の御本復をお祈り申し上げておりましたが、洵に哀しみに堪えません。茲に皆様方と共に、謹んで奉悼の誠を捧げる次第でございます。
皆様方には、常日頃より神宮の御事に関しまして、格別のご高配に与り、殊に神宮大麻暦の頒布につきましては、それぞれの地域に即した独自の施策を展開され、取り巻く環境の厳しい中にあって、頒布増進に向けてご尽力頂いておりますことに、厚く御礼申し上げます。
本年度に入りまして、去る五月二十六日には、伊勢志摩サミット開催にあたり、各国首脳が内宮内玉垣御門前で全員で表敬され、神宮を直に感じていただいたことは、大変意義深いことでありました。このことは、我が国に脈々と受け継がれてきた精神文化に対する、世界的関心の広がりに繋がるものと期待しております。
参宮の傾向につきましても、若い世代の参宮が増加し、社頭は連日賑わいを見せております。これも偏に、皆様方が積み重ねてこられました教化活動の賜物と改めて感謝申し上げる次第であります。
さて、大麻暦の頒布につきましては、神社本庁を中心に策定された「三ヵ年継続神宮大麻都市頒布向上計画」も愈々最終年度となりました。節目の年を迎えるにあたり、これまで展開されてこられた取り組みの、集大成となる協議がなされるものと伺っております。どうかこの上にも、全国のより多くの家庭に神宮大麻が奉斎されることにより、皇室を中心に戴き、神を敬い祖先を尊ぶ、麗しい我が国振りが発揚されて行くことを念じ、頒布推進のため一層のお力添えをお願い申し上げる次第であります。
世情に目を向けますと、東日本大震災や熊本地方を中心とする震災を始めとし、異常気象に起因する被害等、各地で胸の痛む災害が発生し、依然として復旧・復興に向けての活動が続けられています。斯様な時代にあってこそ、大麻奉斎家庭の広がりが、神宮のみならず神社界全体の興隆へと繋がってゆくことになると信じて疑いません。
結びに、ご参集の皆様方の益々のご活躍とご健勝を祈念し、私の挨拶と致します。
平成二十八年十一月十六日
神宮大宮司 鷹司尚武